元々糖尿病ではなかったのに
妊娠中に糖尿病になる人がいらっしゃいます。
妊婦さんだと自分も糖尿になっていないか心配に
なるのではないでしょうか。
妊娠糖尿病になっているかはどうやってわかるのでしょうか。
原因とか、万が一妊娠糖尿病になった時の対処法、赤ちゃんに
影響はあるのかについてお伝えします。
目次 (クリックできます!)
・妊婦糖尿病ってどうやってわかるの?
まず「妊娠糖尿病」とは妊娠によって糖の代謝が異常になることを言います。
妊娠糖尿病を発症するのは全妊婦のうち約12%、妊娠前は糖尿病に
なったことのなかった人でもなることがあります。
妊娠糖尿病の症状は、自覚症状がなく
進行すれば喉が渇く、頻尿になったりしますが
妊娠中は体に変化が起きやすく、こういった症状がよく出るので
妊娠糖尿病にはなかなか気づきません。
妊娠前から元々糖尿病だった人が妊娠した場合は「糖尿病合併妊娠」と
言い、妊娠糖尿病とは違います。
妊娠糖尿病ってどうやって診断されるの?
妊娠初期に妊婦検診の時に空腹時血糖値を測定します。
ここで、もし空腹時の血糖値が100mg/dl以上なら
ブドウ糖を経口投与して血糖値を測定するブドウ糖負荷試験を
行います。
このブドウ糖負荷試験で次のうち、1つでも該当するものが
あったら「妊娠糖尿病」ということになります。
・空腹時血糖値 ≧ 92mg/dl
・1時間値 ≧ 180mg/dl
・2時間値 ≧ 153mg/dl
そして妊娠糖尿病よりも明らかに血糖値が高く
次のどちらかに該当するなら「妊娠時の糖尿病」と診断されます。
・空腹時血糖値 ≧ 126mg/dl
・HbA1c値 ≧6.5%
妊娠初期の血糖値検査で正常であっても、妊娠中期・後期になると
インスリンの機能が低下していくので油断はできません。
妊娠中期頃(24週~28週)にもう一度、空腹時血糖値を測定します。
妊娠糖尿病の原因
妊娠中はインスリンの働きを抑えるホルモンが胎盤から分泌され、
胎盤を通じて赤ちゃんへと流れていくからです。
そして、このようにブドウ糖が分解されにくい状態で
甘いものを食べると血糖値が急上昇してインスリンを抑えるホルモンが
過剰に分泌されてしまうのです。
その他にも妊娠糖尿病になりやすいタイプがあるので
次に挙げてみます。
・35歳以上の高齢出産
・身内に糖尿病の人がいる
・妊娠高血圧症候群
・ 巨大児を出産したことのある人
・日ごろから尿に糖がでる
・肥満である
・羊水過多症である
・妊娠糖尿病になった時の対処法
血糖値を正常範囲内にする必要があります。
そのためには食事療法が中心となります。
標準体重から必要なエネルギーの量を計算し、必要な栄養素が
バランスよく摂れるように指導されます。
食事療法で改善されない場合はインスリン注射をすることになります。
インスリンの注射は胎盤を通過しないので、胎児に影響することは
ありません。
血糖値を下げる飲み薬もありますが、飲み薬の場合は
胎児に影響することがあるので妊娠中は
使われません。
・妊婦糖尿病は胎児に影響する?
妊娠糖尿病になると、母体にも胎児にも何らかの影響のリスクが発生します。
母体の方には、妊娠高血圧症候群や流産・早産を起こしやすく
なります。
胎児の方には巨大化、奇形児、胎児発育不全などを起こす
危険性があります。
妊娠糖尿病を見逃さないためにも妊婦検診はきっちりと
受けましょう。
・まとめ
妊娠前は糖尿病なんて無縁だった人でも
妊娠糖尿病になる可能性があります。
常に適正体重を保ち、暴飲暴食はやめましょう。
妊娠糖尿病は自覚症状がほとんどないので
気が付いた時にはなっていたということはあるんです。
万が一、妊娠糖尿病になっても早期に発見できるように
妊婦検診はきっちりと受けることが大切です。